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職人
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伝えたい日本の”魂”

発売日:2001年04月01日

エス・ビー・ビー編

ISBN:978-4-87919-574-6 / C0072 / 四六判 / 292頁

定価1980円(税込)

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伝えたい日本の"魂"


十五人の匠たちの本音のインタビューと、黒川紀章他のエッセーをまとめる。
いつの間にか、人々の日々の暮らしから潤い、粋でいなせな活力と、美しさの「型」が消えた。
それは世の中から「職人技」が失われたからにほかならない。
職人技とは何か? 今も息づく日本各地の伝統技芸を探る。


職人―伝えたい日本の"魂"

巻頭口絵 匠が「迷える日本」を復活再生に導く

はじめに

なぜ、いま伝統職人なのか/日本の伝統的手工業はなぜ近代以降も維持発展することができたのか/日本のハイテク技術と伝統的手工業との関係/職人みずからの口を通して聞きたいこと

火箸風鈴―明珍宗理氏(兵庫県)

古い伝統が最先端の音響技術にみごとに反映していく/現代科学でも解明できない響きの秘密と秘伝とは何か/甲冑師から火箸風鈴への道 時代の移ろいとともにある"技術の継承"/「職人は義理と人情に生きとるんです」"打ち続けていく"心意気/「私だけしかできんことや」――職人の夢、人との出会いのなかに……/玉鋼への思いと後継者問題"伝えていく心"への想い

たたら吹き・村下―木原明氏(島根県)

玉鋼復興を目指して/三日三晩の結晶・ケラ/うなる炎と千年の技術/体力・気力・精神力/現代技術ではできない不思議

コラム1 共生する伝統と現代               
―二一世紀の新秩序となる「共生の思想」・・・・・黒川紀章

二一世紀の新秩序と日本の行方/「機械の時代」から「生命の時代」へ――日本の崖っぷち状況のなかで/西欧の優位性を暗黙のうちに含んだ普遍主義、国際様式/先鋭化、個性化した純血種文化(企業)は意外に脆い/異質なノイズを取り込んでこそ未来が創られる/近代主義を超える ――分離主義と二元論を包み込む視点/「侘び」の華麗と簡素の両義的美意識から生まれた「花数寄」/「夜そのものに蒔絵」「錦と老い」の華やいだ「さび」/唯識庵は「花数寄」の代表作/利休の「侘び」が歪められた理由/ブルーノ・タウトらの桂離宮評価は一面的

大工―直井光男氏(福井県)

年季奉公を終えて宮大工の道へ/見えるところも見えないところも同じ心で――「木組みは人の心組み」/人を育てて技能者を育てる。昔流の親方と、技を受け継ぐ若い弟子たち/大工を見極め材料を見極める――昔は誰もが優れた施主だった/昔の左官屋はすべての材料をみんな自分の手で作った/聖徳太子以来続く宮大工の伝統技術/優れた技術評価の目を取り戻すために

建具―横田利宏氏(福井県)

伝統技術は時代の要請があればいつでも復活できる/精密な仕上げと切れ味のよい刃物の関係/日本のヒノキは湯上がり美人/技術の上達は年季をかければよいというものではない/工人とオーナーが力を合わせて作る喜び/自然素材で作られた物は使い込むほどよくなっていく

油団―牧野輝男氏(福井県)

「布団は知っとるが油団とは何だ」日本で油団を作る唯一の表具店/五十枚張り合わせた和紙を 十四層に貼り重ねて作る/年代物の色艶のすばらしさ/油団は上手に使えば百年はもつ

漆器―小橋敬一氏(福井県)

魅惑的な漆の透明感は、時間が作りだす/弟が木地を、自分が塗りをの一貫生産/作業の九割は下地作り、最後の塗りは一発勝負になる/斬新な模様は長続きしない 常に復活を繰り返す伝統意匠/漆は呼吸を妨げない。だから木地は生き続ける

打刃物―佐治武士氏(福井県)

鉈からナイフへの転換 伝統技術の柔軟性と新しい道/古いヤスリを本格的なナイフに再生利用する技術/火造りの温度は色を見て判断するしかない/自分でやって体で覚える技術と秘伝として伝えられる技術/伝統と現代をつなげる自然志向の高まり

和紙―岩野市兵衛氏(福井県)

コウゾ一〇〇パーセントの生漉奉書へのこだわり/一般の人には高額になってしまう、「市兵衛ブランド」という悩み/紙漉きの女神に守られた良水が、良質の和紙を生みだす決め手/あるがままのコウゾで紙を漉きたい/夏冬通して同じものを作るのが職人というもの

コラム2 物づくりの民俗を見る           
―「職人」の自然・人・素材の〈調和の世界〉・・・・・井戸理恵子

古代情報のなかに「ユートピア」としてあった日本/豊富な水と森が形成していく日本の風土/平和的に瞬く間に広がっていった弥生稲作/日本人の心性を構築した米の完全食品性/"手"から始まる工芸と日本人の宇宙観/日本を先進工業国にした職人集団の"心"/愛しいまでに律儀な職業人=職人/層の上下を問わずにある日本の職人敬愛/日本のなかから消失していった"職人性"/「本物の職人」を残した武生――北陸の風土/自然の素材と対話する透明な心/職人という枠組みを未来にどう活かすか/"新しい工学"への発想と転換

京瓦―浅田晶久氏(京都府)

見果てぬ鴟尾の夢――現代によみがえる古代瓦/京瓦の命は「磨き」だ/"手"で作ることへの心意気「鬼瓦は、型で作れるはずがないのです」/技術の継承は一人がいくら言っても無理、競い合いがなければ何にもならない/まっさらの瓦を復元したい

京型彫り―谷口浪一郎氏(京都府)

お客さんが柄を選ぶだけではない。これが本当の"あつらえ"の京型彫り/昔ながらのやり方の積み重ねが生みだした伝統のなかの技術革新/「アホの坂田」の発想法――帆に「あ」の意味とは/着物も適正価格で売れば、高いものじゃない。儲けすぎなんや――/相次ぐ廃業 生き残る道を模索して――/自分の個性が複雑な柄を彫りだす。それが面白い

京扇子扇骨加工―荒谷一男氏(京都府)

京都製ではない「京扇」が増えている/一つ越えればまた次のハードル 苦しみのなかに生まれる喜び/京都で一人前の職人は十人しかいない/私が頑張らんと――京都はもっと注目されてええ

菓子型彫刻―野口次良氏(京都府)

そして一人になった――父と兄の思いを継いで/菓子道楽がいなくなって、注文は激減した/サラリーマンやってたほうがええ/銘なんてなんぼのもんや 職人は誰も助けてくれん

無双絵羽織―戸屋優氏(山形県)

機織り一筋五十年、伊達男たちの粋を今に伝える技/繊細で卓越した技術を支える日々の"はりあい"/原始布は自然からの贈り物。野山の草木と人のぬくもり/「頭で覚えるよりも手で覚える」"そんぴん"な職人の心意気

コラム3 呪術と技術          
―日常性プラスの〈ワザオキ〉・・・・・菅田正昭

芸能者(俳優)は神のワザを招き寄せるシャーマン/能の呪術性は朝廷も鎮護国家に利用/優れた技術者は、神技を発揮する/技芸系職人は「憑き物」筋として怖れられた/中臣・忌部・猿女の遠祖も呪術・技能系/天津鍛冶は縄文起源か/『古語拾遺』と忌部系技術祖神/鍛冶神マヒトツとヽとス神との関係/修験者は探鉱師でもあった/徳川将軍の先祖の徳阿弥に象徴される人々/〈医〉と〈お庭番〉の起源/民衆知の復権と民藝運動

若手職人の心意気を聞く!  

益子焼―中村昌人氏(栃木県)    

職人の技は体に染み込み、体で覚えるもの/微妙な釉薬の調合が繊細な色をつくる――化学的思考で考える陶芸/伝統と手のぬくもりに自分の思いを込めて/生まれた土地、益子に腰を据えての自分探し    

漆―角偉三郎氏(石川県)    

「手で触れたくなる」器を生みだす掌/職人、作家、そして職人。すべては漆が決めた/裸のままの合鹿椀―素材の持つ力を引きだすということ/新たな漆道の模索――朱色の点に思いを込めて/職人さんは二つの世界を持っている/アジア、そしてドイツ……海の向こうへ広がる目/使うことで豊かになっていく“漆”の表情