戸惑えば戸惑うほど、それは愛している証拠

明日の自分を信じなきゃ
ここから先へは進めない

過去の事件への自責の念。その苦しみから逃れるために行きずりの男に抱かれ、その思いを忘れずにいるために心と身体を切り離す。まるで自分へ罰を与えるように、地獄の日々に身を置く高野奈緒。そんな彼女の前に、かつて「オマエさ……死ぬ気だろ」と奈緒の心を見抜き、身体の関係を結んだ男が転勤先のニューヨークから帰国した――。
複雑に絡み合う人間模様。真実の先にあるのは裏切りか、それとも愛か。奈緒の止まっていた時間が静かに動き始める。