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イエスと死海文書
イエスと死海文書

イエスと死海文書

発売日:1996年11月01日

山岡健訳

ISBN:978-4-87919-134-2 / C1022 / A5判上製 / 478頁

定価6160円(税込)

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イエス時代のユダヤ人世界を鮮やかに再構成する


本当のイエスの人物像は?死海文書を残したクムラン宗団とは?信仰上多種多様な11人の論者で、死海文書の謎に答える――イエスとはどのような人物であったのか。死海文書を残したクムラン教団とはどのような宗教共同体であったのか。 センセーショナリズムを排した、信仰上多種多様な11人の論者による、知的誠実と最先端の学問成果。イエス時代のユダヤ人世界を鮮やかに再構成する。 イエス時代のユダヤ人世界。死海文書の謎に答える。


はしがき
(ジェームズ・H・チャールズウァース)

序説 クムラン文書と学問的コンセンサス
  ………(ジェームズ・H・チャールズウァース)

国際的で学問的なコンセンサス
コンセンサスの明瞭な表現

第1章 死海文書と史的イエス
  ………(ジェームズ・H・チャールズウァース)

論争
学問的コンセンサス
極端な主張と過度な反応
エッセネ派の諸グループ
イエス研究の方法
共通性
主要な類似点(聖書に基づく神学/宇宙的に形づくられた時代観/神の前での謙遜)
主要な相違点(社会学的特徴/聖書の概念と解釈)
結論

第2章 イエスと神殿文書
  ………(オットー・ベッツ)

ヘロデ派の人々――彼らはエッセネ派なのか?
ベタニアの癩病人シモンの家(マルコ14・3)
神殿文書とイエスの磔刑(神殿文書34・6―10による磔に値する罪/処刑――木に人をかけること=磔/神殿文書とイエスの裁判/死体の埋葬)
クムランのテキストとイエスの教えによる真の神殿〔神殿文書における神殿と時の終わりでの神の聖所/クムランでの霊的礼拝/クムラン共同体の霊的な家/イエスと神殿における礼拝/イエスとメシア時代の神殿/イエスの贖いの死)

第3章 クムランの契約の民とイエスの教えにおけるメンバーシップ
  ………(ホワード・C・キー)

境界
権威
共同体における地位と役割
儀式の要求と安息日の要求
グループの諸機能
象徴的世界
コミュニケーションの文学的方法

第4章 イエスの形成の背景の回復
  ………(パオロ・サッキ)

マルコ2・1―12――中風の人の癒し

汚れ(マルコ七章)
メシアニズム
ハラカーの重要な事例――離婚

第5章 「子」としてのイエスと「庭師」としての義の教師
  ………(ジェームズ・H・チャールズウァース)

序論〔死海文書/福音書/最終目的〕
義の教師〔義の教師の自己理解〕
史的イエス〔史的イエスの自己理解〕
70年以前の二人のユダヤ人の比較
義の教師とイエスの最終的な比較

第6章 不正な管理人の譬え――エッセネ派に対するイエスの批判
  ………(デヴィッド・フルッサー)

第7章 イエス、原始共同体、そしてエルサレムのエッセネ派居住地
  ………(レイナー・リースナー)

南西の丘上の原始共同体(西の丘に関する考古学/ローマ時代後期の建物/原始教会の最初の集会場/最後の晩餐の部屋の伝承)
エルサレムのエッセネ派居住地(クムランの居住空白期/エッセネ門/ベツソーの位置/儀式用の沐浴場のネットワーク/クムラン文書からの証拠)
イエスとエッセネ派居住地(エッセネ派出の弟子?/最後の過ぎ越しの食事/最後の晩餐の場所の探求/原始共同体とエッセネ派居住地)

第8章 神殿に対する反対――イエスと死海文書
  ………(クレイグ・A・エヴァンス)

一世紀の神殿に対する批判(ヨセフス/偽典/タルグム/ラビ文献)
イエスと死海文書による神殿〔貧しい者の抑圧/神殿税論争/儀式的な清さ/霊的な捧げ物/霊的な神殿〕
結論

第9章 イエス、食卓の交わりそしてクムラン
  ………(ジェームズ・D・G・ダン)

イエスと食卓の交わり
ファリサイ派との論争の焦点
クムランと食卓の交わり
ルカ14・13、21――クムランの批判?/結論

第10章 十字架――考古学、イエスそして死海文書
  ………(ジョー・ジアス、ジェームズ・H・チャールズウァース)

主張
テキスト――十字架と義の教師
テキスト――死海文書における「十字架につける」こと
考古学と人類学〔死因/再構成〕
結論

第11章 天に昇った二人の人物――イエスと4Q491の著者
  ………(モートン・スミス)

第12章 クムランに照らした復活のキリストと天使的仲介者像
  ………(アラン・F・セーガ)

天使的キリスト論
クムランと天使的変容
古代ユダヤ教神秘主義における天使
昇天と変容のパウロの用例
人間のようなかたちとされた天使と福音書

訳者あとがき

主要参考文献表/学術雑誌等略語表